テレワークが常態になってきて、人と直接会う機会が減っているなか、気を付けないといけないな、と思っていることがあります。
それは、世界が自分だけになってしまうこと。
どういう意味かと言いますと、もともと世界というものは自分が知覚している範囲で世界であって、そもそも自分の認識し得ないものは自分の世界の構成要素になり得ないのですが、これだけ人と接しない時間が増えると、世界の構成要素が自分で創り出したものだけになってしまいがちである、ということです。
この世界は様々な事実の積み重ねでできているのですが、事実をどう認識するか、どう感じるかはもっぱら自分の感覚に大きく委ねられています。
例えば、今日はなんとなく気分が良くないなぁ、と思って仕事のカレンダーを見てみると、前から気になっていた打合せが入っていた、とか、なんだか気が重いなぁと感じていたら、昨日同僚とやり取りしたSlackやメールが原因であったとか、よくあるじゃないですか。
でも、その打合せも終わってみたらなんてことはなかったり、同僚とのやり取りもこちらの思い過ごしで、先方は全くそんなことを感じていなかったり。
もちろん、勘のいい人や周りの空気を読むのに長けている人は、自分が感じているのと同じことを他の人も感じていることも多いのですが、それは人と直接接する機会あってこそ発揮される才能。
このステイホーム時代では、勘のいい人ほど、空気を読む人ほど、実は必要以上に自分の知覚に囚われて苦労されているのではないかと想像します。むかしから「取り越し苦労」とか場合によっては「妄想」と言われる類いのものですね。
もともと人の心を慮る習慣のない人は、そういうことは無いのかも知れません。人がいようがいいまいが好き勝手ですからね。
でも、たいていの人は多かれ少なかれ人と接することで状況を把握し、気持ちを忖度しつつ物事を進めているはずです。コロナ禍の中その手法が通用しなくなってきて、精神的に追い詰められている人も多いのじゃないかなという気がしています。
わたしもどちらかと言うと空気を読む方で、人の言動が気になる人間なのですが、最近はオンラインでの人の言動が実際よりも増幅されて知覚されることが多くなってきたように感じます。
相手の言葉尻に敏感に反応してしまって怒りを感じてしまったり、失望したり、やる気を無くしてしまったり。
そこで、わたしが最近自分の心と身体を守るために始めたひとつの習慣をご紹介します。それは、
「気になっていることから逃げない」
というシンプルなルールです。
気になる打合せがあるなら後回しにしないでその準備をする、気になる人がいたら一人でいろいろ考えるよりもその人とのWeb会議を設定してとっとと話を済ませてしまう。
自分で抱えていればいるほど自分が妄想を抱くネタが増えていきます。それを放っておくと雪だるま式にふくらんでいって、にっちもさっちも行かなくなってしまうでしょう。
早め早めに自分の手から憂鬱のネタを放していきましょう。常に自分の手元にあるものは楽しいこと、美味しいもの、面白い本やドラマ。ワクワクすることを増やしていきましょう。
わたしの場合は、仕事が始まったらまず気になっていることから片付けます。自分がボールを持っているものを処理し、人に投げてしまいます。嫌な打合せは受け身にならずむしろミーティングを仕切ってしまいましょう。終わったら議事録を書いて他の人に共有してしまいます。人に渡したら自分が忘れることができます。
わたしは本を読んだり文章を書くことが好きなので、朝一で何かしら文章を書くようにしています。これで一日の始まりが薔薇色になります。
仕事に疲れたらお気に入りの本をKindleでパソコンのモニターの大画面に表示して、好きなフォントをおっきくして読みます。いつの間にかネコが膝の上にいます。癒やされます。
仕事が終わったらお気に入りのYouTuberの動画を観ながら室内バイクを漕ぎます。そして、風呂に入ってさっぱりしてから夕食です。
夕食後は妻とモンハンライズをやります。ハンターランクは100をやっと超え、狩りが楽しくなってきたところです。
21時過ぎたら書斎に戻り、好きな本を読んだり小説を書いたり。
日々を気持ちよく過ごすコツは、自分の気持ち一つということは確かなんですが、それだけではダメで、気持ちだけではなく実際にアクションを起こすことが大事なんじゃないかと思います。
嫌なこと、心配なこと、不快なことを自分のバケツの中から汲み出す行動を具体的に取り、そのバケツを好きなこと、楽しいこと、ワクワクすることで満たすように実際に手足を動かす。それが大事なのではないかと思うのです。