佐賀古湯温泉

4日は休暇を取って佐賀の古湯温泉に来ている。非常に鄙びた温泉街で、いくつかある温泉旅館のうち斎藤茂吉が滞在したと言われている扇谷旅館に宿を取った。

温泉街に到着したのは14時半頃。昼食を取っていなかったので近場で食事のできるところを探したけれど蕎麦屋さんも食堂も15時まででラストオーダーに間に合わず、宿近くにある簡易喫茶店のようなところでホットドッグを食べた。地元の地鶏のホットドッグで、意外にも美味であった。

宿は鄙びているけれど最近屋内施設を改装したのか、思いのほか小綺麗な部屋。大浴場まで少し距離があるのと、通路が少し片付いていない印象なのはあえて古い宿であることを主張しているのかもしれないが評価の分かれるところか。

温泉自体は透明でとろりとした比較的ぬるい湯で、長時間入っても湯あたりしそうにないタイプ。個人的な好みとしてはもう少し湯温が高くても良かったかなと感じた。湯船もどちらかというと狭いけれど、他に入っている人がおらずに貸切状態だったのでむしろのんびり入れた。

失礼ながら良い意味で期待を裏切ったのが夕食だった。山の宿の食事に期待をしてはいけないというジンクスを裏切る美味だった。基本は鯉こくやサワガニなどの淡水魚を中心とした献立に佐賀牛が色を添える構成なのだが、酒も進んだ。米も美味しかった。

夜は特にすることもなかったので、会社のメールチェックをしたり本を読んだり。たまたま金曜ロードショウで『風の谷のナウシカ』をやっていたので久しぶりに観た。映画が公開されたのはわたしが大学に入った年なので、それこそもう30年以上前になる。

ナウシカは当時感動し、いろいろと思うところもあって、何十回と見直した映画だ。しかし、そのときに考えたことのひとつでも実現できたであろうかとか、現在の世の中や世界情勢を考えると、全く人間ってのは成長がないというか、進歩がないというか、正直暗澹たる思いにとらわれざるを得ない。