Freewriteという執筆ツールを覚えておいででしょうか。以前このブログでも紹介し、何度か小説の執筆にも使ってみた「現代のタイプライター」とでも言うべきガジェットです。
このツールはネット経由でクラウドサービスと連携出来るものの、本体でもただひたすら草稿を書きつづけるためだけものなので、編集はバックスペースキーで削除することしかできないし、クラウドに上がったテキストも他のアプリやツールで編集したところでFreewriteには一切反映されないという変態仕様であり、使いこなすのはなかなか難しいツールでした。
しかし、ここ最近いろいろと試行錯誤してみたところ、Macの多機能テキストエディタであるUlyssesとの相性が意外によいことが分かりました。Ulyssesは基本的にはiCloudを利用した同期を用いてMacやiPad同士でテキストを連携しますが、外部データとしてDropboxのフォルダを追加することができます。
そのフォルダに追加したテキストは、Ulyssesで表示したり編集したりすることができます。Freewriteでクラウド連携させる先にそのDropboxのフォルダを選べば、Freewriteで書き散らかしたテキストがすべてUlyssesから見えることになります。
もちろん先に書いたとおり、Ulyssesで編集したからといってその内容がFreewrite上にあるテキストに反映するわけではありません。しかし、とにかく草稿として書き溜めたテキストをUlysses側で一覧し、必要に応じてコピペして整理整頓することができます。これは執筆のワークフローを大きくかえる可能性のあるものです。
なんとなく書いたままになってそのまま散逸していた感のあるFreewriteで書いたテキストですが、Ulyssesと連携させることによって漏れなく拾い集めて再構成することが出来ることになります。やはり執筆においては草稿ツールというだけでは不十分で、その草稿をどう整理して再構築し、ひとつの作品までに仕上げていくかということが必要であると考えますと、FreewriteとUlyssesの組み合わせというのは一つの答えを提供するものになるのではないかと感じています。