「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」は心に響いたか

「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を観てきました。

面白かったか面白くなかったかというと、まぁ、面白かった。でも、無茶苦茶心が震えるほど面白いわけではなかった、という感じです。

細かいことを言い始めると、ツッコミどころは満載なんですが、このシリーズの看板の重さと今までやりたい放題とっ散らかった話をよくもまぁきれいにここまでまとめたなと、感心いたしました。

エンドタイトルが流れ始めたとき、わたしが感じたのは映画の内容よりも、むしろ42年にわたって紡がれた物語が、ついに終わってしまったのかという感慨でした。わたしが初めてエピソード1に接したのは中学生の時です。当時は映画を観るという行為自体が大イベントで、めったに映画館に行くこともなかった時代(というか地方)だったのですが、それでもスター・ウォーズはリアルタイムで映画館で観ました。

エピソード1は当時のわたしの創作意欲をいたく刺激し、映画を観てからと言うもの、ずっとスター・ウォーズの登場人物やメカの絵ばかり書いていました。好きすぎて、野田昌宏さん翻訳版の小説まで買ってしまったくらいです。多かれ少なかれ、それからのわたしの人生に影響を与えた作品でした。

そして今回の最終回。正直、ああ、ひとつの時代が終わったなぁと感じたのは前作の「最後のジェダイ」の方でした。ルークが死んだとき、あぁ、わたしたちの(世代の)時代は終わってしまったのかなぁ、とちょっと切ない気持ちになりました。そういう意味での感慨は、今回の作品にはなかったです。

でも、今回の作品はそれでよかったのかなと思います。なぜなら、未来への期待、新しい世代への希望が感じられたからです。ラストシーンでレイが通りすがりの人に名前を聞かれて苗字付きの名前を答えるシーンは、それを象徴するものでしょう。血でもない、運命でもない、自分の意思で道を切り拓いていく若者がしっかりと前を見て進む姿を、きっと制作者はこの最終回では描きたかったのでしょう。

映画自体の出来としては凡作ではありましたが、作品のメッセージはきちんと伝わりましたし、王道の大団円も迎えました。未来への希望とともにディズニーが次回作を作る気満々なのが伝わってきて、それはそれで良かったのではないかと感じました。

創作に憧れを持つ者としてひとつの大きな目標となったスター・ウォーズシリーズが、ひとつの節目を迎えて終わったという事実をしっかりと噛みしめて、わたしも過去とはある意味決別し、新しい次の自分の目標に向かって進んでいかなければならないのかな、そんなことを考えさせる作品でした。